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交通事故の第三者行為とは?傷病届を提出するメリット・デメリット

2025年08月12日

交通事故に遭ってケガを負ったとき、治療費は加害者側が支払うのが原則です。

しかし、加害者との示談が済んでいない場合やすぐに治療が必要な場合には、健康保険を使って治療を受けることもできます。

このとき必要になるのが、「第三者行為による傷病届」という書類の提出です。

今回の記事では、交通事故で第三者行為による傷病届が必要になるケースや注意点などについて詳しく解説します。

万が一の交通事故に備えて正しい知識を身につけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

交通事故における「第三者行為」とは?

「第三者行為」とは、第三者(自分以外)からの過失や故意による行為です。

第三者の行為によってケガをしたり病気になったりした場合は、加害者側の行為が「第三者行為」にあたります。

第三者行為の事例は交通事故が代表的ですが、設備の欠陥や他人のペットによるケガ、飲食店での食中毒なども該当します。

反対に、自身の不注意によるケガや風邪などのケースは、第三者行為にはあたりません。

第三者行為の被害者が健康保険を使って治療を受ける場合は、保険組合などに対して「第三者行為による傷病届」の提出が必要です。

以下では、第三者行為による傷病届の提出が必要な理由と、提出先・提出方法について解説します。

第三者行為による傷病届が必要な理由

第三者行為による傷病届が必要となる理由は、保険者に「加害者がいる第三者行為」であることを知らせるためです。

本来であれば、第三者行為による傷病の治療費は加害者が支払います。

しかし、健康保険を使って治療を受けると、健康保険の保険者が一時的に治療費を立て替えて支払うことになります。

保険者が後日、加害者に対して立て替え費用を請求する際に、第三者行為による傷病届が必要になるのです。

第三者行為による傷病届を提出していないと、自己都合のケガの治療費として扱われてしまう可能性があるため注意が必要です。

第三者行為による傷病届の提出先と提出方法

第三者行為による傷病届の提出先は、健康保険組合や全国健康保険協会など、自身が加入している健康保険です。

提出する際は必要事項を記入し、郵送または窓口で提出します。

傷病届のほかに「事故発生状況報告書」などの提出も求められるため、詳しい必要書類は健康保険に確認するようにしてください。

なお、治療開始後でも受理されるケースは多いですが、できる限り早めに提出するようにしましょう。

 

交通事故で第三者行為による傷病届を提出するメリット

交通事故で第三者行為による傷病届を提出する主なメリットは、以下のとおりです。
・医療費の自己負担を1割~3割に抑えられる
・示談前でも健康保険を利用して治療を受けられる

各メリットについて、以下で具体的に解説していきます。

医療費の自己負担を1割~3割に抑えられる

第三者行為による傷病届を提出すると健康保険の適用が可能となり、医療費の自己負担が1割~3割で済むようになります。

たとえば、自費で立て替えが必要な場合、健康保険を使わずに10万円の治療を受けると全額自己負担しなければなりません。

しかし、健康保険を適用できれば自己負担額は1万円〜3万円程度に抑えられます。

また、高額療養費制度も適用できるため、入院や手術などで医療費がかさんだ場合でも、さらに負担を軽減できるようになります。

示談前でも健康保険を利用して治療を受けられる

加害者との示談が成立する前でも、健康保険を利用して治療を受けられるメリットもあります。

交通事故後、加害者との示談が成立するまでには時間がかかるケースが多いです。

しかし、ケガを負っている場合にはできるだけ早く治療を開始しなければなりません。

こうした場合に第三者行為による傷病届を提出すれば、示談が成立していなくても、健康保険を使って治療を進められます。

自己負担額を抑えつつ、治療が遅れてしまうリスクも軽減できるため、安心して治療に専念できるでしょう。

 

交通事故で第三者行為による傷病届を提出するデメリット


交通事故での第三者行為による傷病届の提出にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

代表的なデメリットは、次の2つです。
・提出書類の準備に手間がかかる
・利用できるのは保険適用の範囲に限られる

それぞれの内容について、以下で詳しく見ていきましょう。

提出書類の準備に手間がかかる

第三者行為による傷病届を提出する際は、複数の書類を準備しなければなりません。

一般的に必要とされるのは、以下のような書類です。
・第三者行為による傷病届
・事故状況報告書
・交通事故証明書
・負傷原因報告書
・念書
・同意書

これらはそれぞれ記入方法が異なり、揃えるだけでも時間と労力を要します。

また、健康保険によって必要書類が異なる場合があり、事前の確認を怠ると再提出を求められる可能性もあります。

交通事故直後は警察への対応やケガの治療も進めなければならないため、書類の準備が負担となるケースも多いでしょう。

利用できるのは保険適用の範囲に限られる

交通事故で健康保険を使って治療を受ける場合でも、第三者行為による傷病届を利用できるのは「保険適用範囲」に限られます。

たとえば、差額ベッド代や先進医療・医師が必要と認めない治療費などは対象
外となり、全額自己負担となります。

傷病届を提出してもこれらの費用は補償されないため、思ったほど医療費が抑えられないと感じるケースもあるでしょう。

とくに長期間治療を続ける場合には、どこまでが健康保険の対象となるのか確認しておく必要があります。

 

交通事故で第三者行為による傷病届を提出する際に注意すべきケース

交通事故で第三者行為による傷病届を提出する際、注意が必要となるケースは次の2つです。
・通勤中や業務中などの労災である場合
・事故の相手方との示談が成立している場合

注意すべきポイントについて、以下で具体的に確認していきましょう。

通勤中や業務中などの労災である場合

交通事故が「通勤中」または「業務中」に発生した場合、基本的に労働災害(労災)として扱われます。

労災保険の給付対象となるケガの治療では健康保険を使用できないため、第三者行為による傷病届を提出する必要はありません。

また、労災保険は健康保険よりも補償内容が手厚く、ケガの治療費は全額補償されます。

交通事故が労災に該当する場合は、健康保険ではなく労災保険を利用するようにしましょう。

なお、間違って健康保険を使ってしまった場合には、労災保険への切り替え手続きが必要となります。

事故の相手方との示談が成立している場合

すでに被害者と加害者との間で示談が成立している場合、加害者への治療費の請求ができなくなる可能性があります。

示談では、「示談成立後は一切請求しない」といった旨の合意をするケースが多いためです。

この場合、第三者行為による傷病届を提出しても、保険者は加害者から立て替え費用を受け取れません。

結果として、被害者が自己負担で治療費を支払わなければならなくなるおそれがあります。

示談内容や治療費の保険適用に疑問がある場合は、示談成立前に弁護士へ相談しアドバイスを受けるようにしましょう。

 

第三者行為による交通事故では必要に応じて弁護士への相談を検討しよう

第三者行為による交通事故に巻き込まれた直後は、身体的なダメージだけでなく、精神的な負担も大きくなりがちです。

とくに、健康保険の利用や示談交渉・損害賠償の取り決めなど、一人で対応するのは難しいケースも多いでしょう。

このような場合は弁護士のサポートを受けることで、不利益を防ぎ、適切な補償を受けるための手続きをスムーズに進められます。

交通事故の被害に遭い、第三者行為による傷病届を提出すべきか悩んだときは、早めに専門家である弁護士に相談しましょう。

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