• 相談料着手金0円
  • 無料相談のお問い合わせ 0776-28-2824
  • メールでのお問合わせ
  • LINEでのお問合わせ

新着情報

交通事故弁護士で変わる。
交通事故強い弁護士を選びましょう。

交通事故でPTSDになった場合に知っておきたいこと【症状・損害賠償】

2025年09月9日

交通事故は、身体だけでなく、心にも深い傷を残す場合があります。

事故後に「フラッシュバックが続く」「車を見るのが怖い」といった症状が続く場合、それはPTSDかもしれません。

PTSDは誰にでも起こり得る心の病ですが、目に見えない症状であるため本人も周囲も気づきにくいものです。

今回の記事では、交通事故をきっかけに発症するPTSDの原因や症状・損害賠償請求などについて解説します。

適切な補償を受けるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

交通事故後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?

交通事故後にPTSDを発症する人は少なくありません。PTSDを放置すると、日常生活や社会生活に支障をきたすおそれがあります。

精神的な不調が続く場合は医療機関を受診し、正しい知識とサポートを得ましょう。
・そもそもPTSDとは?
・PTSDになる原因
・PTSDの治療法

この章では、まずPTSDの基本的な概念と発症の原因、治療法について解説します。

そもそもPTSDとは?

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは、命の危険を感じるほどの強烈なストレス体験のあとに発症するストレス障害です。

日本語では心的外傷後ストレス障害といい、災害や犯罪被害・交通事故などによって引き起こされる可能性があります。

主な症状として、フラッシュバック・睡眠障害・感情や感覚のマヒなどがあり、本人の意思に関係なく心身に不調が生じます。

交通事故が原因であったとしても、症状の重さや現れ方には個人差があるため、すべての人が同じ症状とは限りません。

事故後すぐではなく、数週間〜数か月経ってから症状が出るケースもあります。

PTSDになる原因

PTSDは、外から受けた強いショックや恐怖体験が脳に刻み込まれた結果、心のバランスが崩れて発症します。

交通事故の場合、次のような状況が引き金になる可能性があります。

・同乗者や他人が重傷を負ったまたは亡くなった
・大型車両に衝突されて車が大破した
・猛スピードで衝突されて車が横転した
・車両の間に挟まれて重傷を負った

生命の危機を感じるほどの大事故であったり、本人や身近な人が大ケガを負った場合に発症しやすい傾向にあります。

PTSDの治療法

PTSDは、適切な治療を受けることで症状の軽減や回復が期待できます。

主な治療法は、精神療法や対症療法(薬物療法)です。

交通事故後に精神的な不調を感じた場合は、迷わず近くの精神科や心療内科を受診し診察を受けましょう。

症状によっては、PTSDなどのトラウマ治療を専門的に扱う医療機関を紹介してもらえる可能性もあります。

心身の回復を目指すには、信頼できる医師やカウンセラーと継続的にかかわることが重要です。

 

交通事故によるPTSDの具体的な症状

交通事故が原因でPTSDを発症すると、さまざまな症状が現れます。

代表的なのは、次の4つの症状です。
・事故当時の再体験
・事故にかかわる記憶の回避
・否定的な感情
・自律神経の乱れによる過覚醒

それぞれの症状について、以下で具体的に確認していきましょう。

事故当時の再体験

PTSDの代表的な症状として、「再体験(フラッシュバック)」があります。

再体験とは、交通事故の場面が突然脳裏によみがえり、あたかもその瞬間に戻ったような感覚に襲われる現象です。

事故時の光景・音・衝撃・感情などが現実のように再現され、強い恐怖を伴います。

夜間の悪夢や、特定の音(クラクションやブレーキ音)によってフラッシュバックが誘発されるケースもあります。

事故にかかわる記憶の回避

PTSDの症状には、「回避」と呼ばれる行動パターンもあります。

回避とは、事故を思い出させる場所や人、会話などを無意識に避けるようになる症状です。

たとえば、「車に乗るのを極端に嫌がる」「事故の話題になると口を閉ざす」といった行動があります。

外出自体が困難になり、日常生活に支障をきたすケースもあるでしょう。

否定的な感情

交通事故によるPTSDでは、自分自身や他人に対して否定的な感情や考え方を抱くようになる場合もあります。

たとえば、「すべて自分が悪い」「誰も信じられない」といった極端な思考の偏りが出るケースなどです。

また、嬉しい・楽しいなどと感じられなくなる「感情のマヒ」も起こる可能性があります。

自律神経の乱れによる過覚醒

PTSDでは、自律神経が乱れて興奮状態が続く「過覚醒」が現れるケースもあります。

過覚醒とは、事故時の強い緊張や恐怖が、身体に警戒心を植え付けてしまうことによって起こる症状です。

たとえば、「眠れない」「イライラが止まらない」「集中できない」などの症状があります。

 

交通事故でPTSDになった場合の損害賠償

交通事故によってPTSDを発症した場合、身体のケガと同様に損害賠償の対象となる可能性があります。
・治療費や入通院慰謝料の請求は可能
・PTSDが後遺障害等級認定される条件
・PTSDで該当する可能性のある後遺障害等級と後遺障害慰謝料

以下では、PTSDに対して請求できる損害賠償金や、後遺障害等級の認定条件・該当等級について詳しく見ていきましょう。

治療費や入通院慰謝料の請求は可能

交通事故が原因でPTSDを発症した場合、治療費や入通院慰謝料は基本的に加害者側に請求できます。

入通院慰謝料とは、治療のために入院・通院した際の精神的苦痛に対する損害賠償です。

交通事故によるPTSDと認められれば、通常のケガと同様に支払われます。

しかし、PTSDの治療費や慰謝料を請求するためには、交通事故との因果関係を証明しなければなりません。

具体的には、医師の診断書や経過記録などで「事故がなければPTSDは発症しなかった」と裏付ける必要があります。

請求する際はなるべく早い段階で医療機関を受診し、診断を受けた記録を残しておくことが重要です。

PTSDが後遺障害等級認定される条件

交通事故によるPTSDが長期間にわたって改善せず、後遺症が残った場合には「後遺障害」として認定される可能性があります。

後遺障害等級が認定されると、その程度に応じた後遺障害慰謝料や逸失利益(将来得られたはずの収入)を請求できます。

PTSDが後遺障害等級として認定されるための主な条件は、以下のとおりです。
・事故との因果関係が認められていること
・治療を継続しても改善が見込めない(症状固定)と医師が判断したこと
・後遺障害等級認定を申請し、認定を受けること

後遺障害等級認定は、診断内容の不備や症状の軽視によって非該当となるケースもあるため注意が必要です。

適切な等級の認定を目指すためには、専門家である弁護士に相談しながら慎重に準備する必要があります。

PTSDで該当する可能性のある後遺障害等級と後遺障害慰謝料

PTSDによる後遺障害等級は、症状に応じて9級・12級・14級のいずれかに認定される可能性があります。

該当する等級の慰謝料相場は、以下のとおりです。

等級 自賠責基準 弁護士基準
9級 249万円 690万円
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

後遺障害等級は1級に近いほど症状が重く、慰謝料の相場も高額になります。

また、自賠責基準は最低限の補償であるため、弁護士に依頼した際に適用される弁護士基準の方が慰謝料は高額になります。

慰謝料の増額を希望する場合は、交通事故問題に詳しい弁護士への相談を検討しましょう。

 

交通事故でPTSDを発症した場合は弁護士への相談がおすすめ

心の傷は目に見えないぶん、正しく評価されにくく、補償を受けるまでの手続きが複雑になりがちです。

とくにPTSDのような精神的な後遺症は、診断書や医療記録の確保・損害との因果関係の証明などの対応が求められます。

被害者自身での対応が困難な場合に頼りになるのが、交通事故問題に詳しい弁護士の存在です。

医療機関との連携や後遺障害等級の申請手続きに長けた弁護士であれば、治療と並行して損害賠償請求の準備を進められます。

安心して治療に専念するためにも、交通事故後の手続きで悩んだときには早めに弁護士へ相談しましょう。

TOP